ここ茅ヶ崎には、おそらく最初に日本に持ち込まれた最も古いサーフボードであろうとされる「証拠」となる一枚の写真と「現物」が存在する。15年程前に茅ヶ崎市が編纂した写真集「茅ヶ崎〜きのう きょう〜」の中に、昭和10年頃撮影と説明されている一枚の写真がそれだ。1920年代後半頃という事になる。当時ハワイのワイキキで人気のあったレッドウッド製ではないかと推測され、ハワイのビショップ博物館に同タイプのものが展示されている。サーフィンの神様デューク・カハナモクらが乗っていたのと同じモデルのものである。
しかもその現物は、日本の名映画監督「小津安次郎」の常宿と知られる老舗旅館「茅ヶ崎館」の倉庫に多少の変化はあるもの、朽ち果てる事なく原形を留めて現存している。
長さは約9ft(約2.7m)重く堅い一枚の板からできている。ノーズにはロッカーも施されているが、フィンが登場する前だからボックスの跡はない、まさに80年程前の「波乗り板」である。
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